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HIPERMAX G / インタビューHKS MAGAZINE

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INTERVIEW MAKING CONCEPT

Performance of HIPERMAX G

路面条件やスピードレンジ、そしてユーザー嗜好も千差万別。
HIPERMAX Gのスイートスポットをどこに置くか、これはまさに難題でした。
自動車開発部6課 I氏

ベストなセッティングを出すという意味では、純正同形状は妥協が許されません。
最後の最後までテストを繰り返しました。
自動車開発部6課 Y氏

HKSにとって新たな市場へのチェレンジといえるHIPERMAX G。
従来とは異なるユーザー層をターゲットとしたこのサスペンションキットについて、HKS自動車開発部のI氏、セッティングを担当した同部のY氏に話を聞いた。

I氏:路面条件やスピードレンジ、そしてユーザー嗜好も千差万別。HIPERMAX Gのスイートスポットをどこに置くか、これが難題でした。われわれが決めたのは、純正サスが目指す方向性はそのままに、トータルな走りの性能を高水準に引き上げるというコンセプト。ハンドリング性能を削って乗り心地を改善するといったトレードオフではなく、すべての面で妥協なく上を目指す。これこそが、純正同形状ショックアブソーバーに相応しいキャラクターと考えたからです。

Y氏:ベストなセッティングを出すという意味では、純正同形状は妥協が許されません。車高調だとこちらが想定するベストセッティングを中心に、ユーザーの好みで調整幅を持たせるのですが、純正同形状は組み付けたらどこもいじる余地がない。バネレートはどうする、車高は何ミリダウンにする、ショックアブソーバーのシムをコンマ1ミリに変更したときの変化はどうだった点。ベストな走りと上質な乗り味の両立をめざして、最後の最後までテストを繰り返しました。

I氏:HIPERMAX Gは、ノーマル車に乗られていて、初めてサスキットを組むライトユーザーも想定しています。いじっていたとしてもインチアップのワイドタイヤくらい。この状態で、日常生活からワインディングロードまでストレスのない走りを楽しめることが目標です。ここで重要なのは、じつはボディ側とのバランス。量産車のボディ剛性はノーマルサスが前提とされているので、そこでショックアブソーバーだけ頑張ってもいい結果が生まれるとは限らないんです。

Y氏:そこに、純正同形状ならではの難しさがあります。乗り心地には大いにこだわったのですが、ショックアブソーバーでは消しきれないボディ側に起因するブルブル感もある。こういう微小ストローク時の滑らか感を出すため、最後まで粘りました。結果として、競合製品とはひと味違う良質な乗り心地が実現できたと自負しています。

I氏:先にHIPERMAX Gはライトユーザー向けと言いましたが、完成したHIPERMAX Gの走りは、ライトユーザーはもちろん、かつて車高調などでスポーティな走りを楽しんだベテランユーザーにも満足いただける商品になったと確信しています。華やかでスポーティな車高調は卒業したけれど、まだまだ走りにはこだわりがある…。目の肥えたベテランユーザーにもぜひ試して頂きたい自信作です。

HIPERMAX G

構想から開発、そして実走行テスト。その期間は実に3年以上に及んだという。それは、セッティングの追求はもちろん、3年6万kmの保証を確認するためでもある。

取付は比較的容易だが、アッパーマウントは純正パーツを使用するため、基本的には組み替えが必要となるため、作業はプロに任せた方が間違えないだろう。

Report:鈴木直也 / Photo:澤田優樹・高木博史