車高調というと、「乗り心地が悪くなる」というイメージを持っている人も多いと思います。これはローダウンスプリングでも同様ですが、車高を下げると基本としてノーマルよりもストローク量が減ることとなり、底づきを抑えるためにスプリングのレートを高くすることで「硬い乗り味」になるからです。また、高くなったスプリングレートとダンパーの特性がマッチしていないというのも、乗り心地を悪くする要因のひとつとなります。
そこでHIPERMAX MAX IV GTでは、ダンパーの内部構造を見直して新機構を開発。使う部品も含め、それぞれの車種にベストな設計としました。これにより、86 & BRZではノーマルのスプリングレートが前後約3kg/mmなのに対して、フロント6kg/mm、リヤ4kg/mmと高くしつつも、しなやかに動き、ゴツゴツとした不快感を解消しています。
このように、HIPERMAX MAX IV GTは街乗りでのコンフォート性(快適性)を優先したストリートダンパーではありますが、もちろんHKSとして、高いスポーツ性能も追求。ハイグリップラジアルタイヤ装着でのサーキット走行にも対応した、オールマイティに使える“足”になっています。
まず86のノーマルの足だけど、ピッチングもロールも分かりやすくて、乗っていて意外と楽しい。ただ、富士スピードウェイみたいなハイスピードコースとなると、やはりロールが大きく、車高も高い。ハイスピードでステアリングをパンッと切るとオーバーステアになったり、コーナリング中は踏ん張れなくてアンダーステアになることも。限界点での運転が難しいんだよね。
それに対してHIPERMAX MAX Ⅳ GT装着後は、乗ってすぐに車高が下がった感じがする。ロールが少なくなるからステアリングの舵角が少なくてすむし、100Rとかの高速コーナーでもすごく踏ん張ってくれる。それからコーナリング中、内側のタイヤのグリップ力が上がっているね。外側のタイヤだけに負担をかけず、内側のタイヤを上手く使えるからコーナーが速くなるし楽しくなる。ロールもピッチングも少なくなってクルマの挙動が安定するし、とにかく扱いやすいね。
今回、減衰力はハード側から10段戻しで走ったんだけど、俺的には前後とも5段ぐらいソフトにして、足をもっと動かせるようにしてもいいかなぁって感じた。まぁ、そういう風に調整できるっていうのはドライバーの楽しみのひとつだから、みんなも好きなところにクリクリしてもらえればいいと思うよ。