HKS

第5戦:サーキットパーク切谷内

1位(2024/7/14 )



Rd.3 : 北海道ダートスペシャル in スナガワ

昨年は無念の欠場となってしまったため「HKS MotorSport」としては初挑戦となる北海道でのダートトライアル。
舞台となる「オートスポーツランドスナガワ」はコースの半分が砂の多い硬質ダートの平地、
もう半分は林間の土が多いダート路面といった難しいレイアウトだ。
林の中は所々にコースを横切る小川のような水たまりがあり、それを埋めたてるかたちでコースが作られている。
コースの端には浸水している場所もある今までに経験した事のない路面状況を持つコース。

今回は全クラスあわせて117台が参加、Dクラスには10台がエントリー、
「HKSランサーエボリューション」は最終走行の117番目の走行となる。
各クラスの走行が進むにつれ路面がどんどん削られ、林の中では数か所20cmほどの段差ができ、
通るたびにクルマが大きく跳ねてしまうため、サスペンションには非常に過酷な条件となっていった。
全くコンディションの異なる2つの路面に対応するためバランスを重視し、
タイヤは大会を通し一般ダート用タイヤのYOKOHAMA ADVAN A053を選択した。

公開練習日、今回は2本の走行。

1St Practice TIME:1’38.365 (10th)
タイトコーナーでギア比が合わず失速。クラス10番目のタイムに沈んだ。

2nd Practice TIME:1’23.363 (3nd)
前半セクションまでトップタイムをマークしたものの、
スナガワ特有の路面の洗礼を受けたサスペンションにトラブルが起こりタイムロス、
結果3番手のタイムとなった。

迎えた決勝日、天候は曇天。
前日の夜に小雨が降っており、その影響で林区間が酷い泥濘路になるのではと懸念もあったが大きな影響はなかった。
むしろコース整備のおかげで練習日よりもコンディションはよく、
HKSが得意とするフラット路面からのスタートとなった。

前日の練習走行で起こったトラブルはすべて解消し、
サスペンションをセットし走行を待つ。
コースコンディションを考えると1本目勝負となる可能性が高い。
田口選手も集中力を高めスタートを切った。

First HEAT TIME:1’21.466 (1st) 2位に0.365差をつけてトップタイムをマークした。

2本目、大きな轍や穴が増えてきている路面状況を考慮し車高を上げるなど、
変化するコンディションに合わせセットアップを行った。予想に反し各車タイムを縮めてきており、
当然ライバルも大幅なタイムアップをしている。
1本目のタイムはライバル2台に抜かれ、優勝するためにはHKSもタイムアップしなくてはならない

心を乱す情報はすべてシャットアウト、自らの走りに集中する田口選手。

スタートフラッグが振られ、いよいよスタート。
中間まで路面状況を的確に判断し好タイムをマーク、
その後のストレートのブレーキから右コーナーも完璧なブレーキとコーナリング、
S字立ち上がりも上手く加速させ最終コーナーもキレイにまとめフィニッシュ。

Second HEAT TIME:1’20.640 (1st)

僅か0.127秒の差で優勝を決めた。

チームとしても、また田口選手としてもスナガワでの初優勝となった。
練習走行からトラブルが続いたもののそれを乗り越えての優勝。
チームとしても成長につながる大会であった。

3戦を終え、シリーズランキングトップではあるもの気を抜けない戦いは続く。


Rd.2 : DIRT-TRIAL in NASU

フル参戦2年目、開幕戦で勝利をつかみ幸先の良いスタートを切ったHKS MotorSport。
第2戦の舞台は昨年横転大クラッシュを喫してしまった「丸和オートランド那須」。
ターマックとダートが混在し、ハイスピードセクションとテクニカルセクションがミックスされた難しいレイアウトが特徴のコースだ。

当日の路面は入念に整備されたフラットダート。
練習走行までに表面の砂利層が掃けきってはいなかったが、
決勝日は硬質ダートになると踏んでHKSエボと相性の良い硬質ダート用タイヤ「ADVAN A036」をチョイスした。
田口選手はトップから約0.8秒差の1’28.340で3番手となった。

練習走行で路面は踏み固められ、決勝は完全な硬質ダートとなった。
しかし前日から変更となったコースには浮き砂利が乗り、難しいコンディションだ。
タイヤは「ADVAN A036」のまま、バンプ対策としてサスペンションセッティングを変更。
Dクラスの1本目は5位までが1秒差以内の大接戦の様相となり、田口選手はトップから約0.4秒差で2番手につけた。

First HEAT TIME:1’36.049 (2nd)

2本目は完全に砂利が掃けて岩が頭を出し、凹凸の激しい路面状況によってタイヤバーストやクラッシュが頻発。
大波乱の展開のなか、全クラスで激しいタイムアップ合戦が繰り広げられた。
HKSはさらにセッティングを小変更し、出来ることはすべてやり切った状態で田口選手にすべてを託す。

運命の2本目、中間タイムでは全体ベストをマークしたものの後半のターマックとダートが混在するセクションで
ライバルにあと一歩及ばず約0.2秒差の2位となった。

Second HEAT TIME:1’34.131 (2nd)

優勝にはほんの僅かな差で届かなかったものの、昨年の苦い記憶を振り払う好結果で終えることが出来た。
8月に再びここで全日本戦が開催されるので、次は必ずポディウムの頂点に立つことを誓った。
次戦は昨年参戦が叶わなかった北海道「オートスポーツランドスナガワ」。
見えてきた課題をひとつひとつクリアし、万全の状態で挑みたい。


Rd.1 : TRAIAL de COSMOS

2023年から「全日本ダートトライアル選手権」に本格参戦を開始し、デビューイヤーでタイトルを獲得したHKS MotorSport。
2024年も引き続き田口勝彦選手をドライバーに迎え、連覇を目指して入念な準備を行ってきた。
「HKSランサーエボリューション」は外装こそ大きく変わっていないが、パイピングの変更など細かな変更を行い出力アップを実現した。

開幕戦の舞台「京都コスモスパーク」は昨年劇的なデビューウィンを飾った思い出深いサーキットだ。
残念ながら京都コスモスパークは一旦今年限りでラストとなることが決まっており、
有終の美を飾ろうとエントラント全員が特別な想いを胸に挑んだ。

前日から現地は雨が続き、公開練習日はヘビーウェット路面での開催となった。
石が敷き詰まった硬質ダート路面の上にぬかるみが乗り、水たまりも多く厳しいコンディションのため、
軟質ダート用タイヤである「ADVAN A031」を選択したが、
特性をうまく生かせず強いアンダーステアに苦しみ公開練習は4番手に沈んだ。

決勝日は雨が降ったり止んだりを繰り返す難しい天気となった。
午前中のうちは雨が強く降ることはなく、他クラスの走行によって水やぬかるみがはけていき
路面は固め方向へと徐々に変化していった。

直前まで「ADVAN A031」を使う可能性も残していたが、
チームはタイムを重視し使い慣れた一般ダート用タイヤ「ADVAN A053」を履き勝負に出た。
前日の対策としてデフ制御変更を行ったことで1本目では強いアンダーステアは収まったものの、
バックストレートでシフトアップがうまくいかないトラブルがあり1秒差の4番手となった。

First HEAT TIME:1’25.658 (4th)

2本目に向けて、シフトのトラブルシューティングに加えリアサスペンションの減衰変更など細かなセッティング変更を行った。
午後も相変わらず降ったり止んだりの難しい天候だったが、
他クラスの2本目がタイムアップ傾向にあることを確認しコンディションが改善傾向にあると判断。タイヤも1本目と同じく「A053」を選択した。

Dクラスのライバルもタイムを2秒近く上げてくる強烈なタイムアップ合戦となったが、
田口選手の正確無比なドライビングとコンディションに合ったマシンセッティングがうまくマッチした結果、
3秒以上もタイムアップし大逆転優勝を飾った。

Second HEAT TIME:1’22.593 (1st)

デビューウィンを果たした地でもぎ取ったドラマティックな逆転勝利。
開幕戦はシリーズ連覇に向けた最高のスタートダッシュとなった。
引き続き様々なコンディションに対応できるよう入念に準備を行い、
「つくるまサーキット那須」で開催される第2戦に挑んでいきたい。