HKS

第5戦:TEIN CUP ALL JAPAN SUPER DT in EBISU

2位(2025/6/22)



Rd.5 : TEIN CUP ALL JAPAN SUPER DT in EBISU

ここまで3勝・2位1回と良い流れで来ているHKSランサーエボリューション。
次なるステージは元々ドリフトの聖地であった場所をダートコースに改修したエビスサーキットの新南コースだ。

このコースでは一昨年のJAFカップでは優勝を果たしたものの、
昨年の第6戦では0.005秒差で表彰台を逃すという悔しい思いもしており、
今年はなんとしても良い結果を納めたいところだ。

土曜日の公開練習は薄曇りの中、ドライ路面でおこなわれた。
コースは全般的に砂と砂利がひかれ、イン側の土手も盛られて綺麗に整備されていたが、
終盤のD2クラス走行時には元の舗装路面が顔を出すと予想し、硬質ダート用タイヤ「ADVAN A036」で挑んだ。
ランサーエボリューションに乗り込んだ田口選手はそつのない走りをみせ、
トップから0.337秒差の3番手となり、日曜日の決勝に期待が持てる内容となった。

Practice TIME:1‘07:164(3rd)

明けて決勝日の朝、
発表されたコースレイアウトは前日の公開練習のものに
インフィールド区間のパイロンターンが追加された内容にとどまっており、
練習でのデータが参考となるものだった。
公開練習により荒れたコースは入念に整備され、
砂や土が多く盛られたことでダートコースらしい表情に戻っていたが、
終日晴天予報だったためか、これまで見たことのないレベルでの散水が行われ、
場所によっては水たまりもできていた。

レース開始後、前半のクラスはほぼ全車がウエットタイヤを装着しており、
NA小排気量の無改造車両たちの走りはかなり重そうに見えた。
しかしながら真夏を思わせる強い日差しによりコースは急速に乾き、
レース中盤ではほぼ全車がドライタイヤを装着する状況に一変。
我々も良い走りを見せた前日の仕様からセッティングは変えず、
タイヤも「ADVAN A036」で第1ヒートに挑んだ。

走行がランキング上位へ進みシード勢が走るたびにベストラップが更新される展開。
公開練習で1位だった谷田川選手がベストラップを更新した直後、
それを2秒引き離すスーパーラップを鎌田選手が叩き出す。
その後を走るHKSランサーエボリューションと田口選手も熱い走りを見せるが、
途中のパイロンターン直後の立ち上がりで一瞬失速。そんなタイムロスもあった中、2番手に食い込んだ。
しかしながらトップとの差は1.5秒と逆転には極めて厳しい状況となった。

First HEAT TIME:1‘19:503(2nd)

第1ヒート後のインターバルでコース整備、散水がおこなわれたものの、
この日の日差しは強力であっという間に乾いてしまい、
第2ヒートは序盤から完全なるドライ路面でおこなわれることに。
HKSランサーエボリューションは第1ヒートで見えた改善点を見直し、逆転にかけることとなる。

第2ヒートは各クラスともに第1ヒートのタイムを塗り替える展開となった。
レースが進むごとにコース上の砂は剥がされ、
レコードライン上は旧南コースの舗装路面が露呈した「実質ターマック路面」となり、
我々が走る最終盤のD2クラスは高速決着になることが容易に想像できた。

第1ヒート同様、「ADVAN A036」を装着しその時を待つ。
D2クラスも各選手ともに自身の第1ヒートタイムを大きく更新する展開となり、
スーパーラップと思われた鎌田選手のタイムもゼッケン04:谷田川選手が塗り替える。
それを03:炭山選手、さらに02:鎌田選手と更新し、この時点でタイムは1分16秒台に入っていた。
最後に走るゼッケン01:田口選手とHKSランサーエボリューションも完璧な走りを見せ、
同じく1分16秒台を記録したが0.623秒届かず、第5戦エビスは2位という結果になった。

レース的には悔しい結果だが、
年間シリーズランキングにとっては非常に大きな意味を持つ順位であり、
次戦の結果如何では3年連続シリーズチャンピオンが決まる可能性も出てきた。
ただ今回の結果からもわかるように誰が勝ってもおかしくない激戦状態のため、
チーム一同気を引き締め、最善を尽くしていく。

Second HEAT TIME:1‘16:916(2nd)


Rd.4 : 北海道ダートスペシャルinスナガワ

2025年シリーズ第4戦は北海道砂川市のオートスポーツランドスナガワで開催された。
シリーズ全8戦の折り返しにあたる重要な一戦。
舞台となったスナガワは大きく上下二段に分かれ、硬質な砂利路面の上段と、
ぬかるみや轍ができやすい赤土路面の下段からなる複合ダートコース。
特に湿地の下段では水たまりが連続し、
いたるところで走行ラインのイン側やアウト側に深さ20〜30cmほどの大穴が掘られることもあり、
マシンにもドライバーにも厳しいコース。

初日の公開練習1本目では車両の状態と路面特性を踏まえ、
一般ダート用タイヤ「ADVAN A053」を選択し、
トップからわずか0.034秒差の2位。
2本目は最高速176km/hをマークするなど全開のアタックでトップを獲得。
さらに微調整を行いマシンへの信頼を高めて決勝へ臨んだ。

決勝1本目

決勝当日は予報通りの雨。路面には水が溜まり、スロープやコーナーは滑りやすい悪条件。
タイヤは軟質ダート用「ADVAN A031」を選択、空気圧を高めに設定して臨んだ。
スタートのスリップこそあったが、その後はミスなく走りきり、0.824秒の差をつけてトップに立った。

First HEAT TIME:1‘14:493(1st)

決勝2本目

第2ヒートではさらに悪化した路面状況により、各選手のタイムアップは困難と予想された。
中盤まで順調に進んだ田口だったが、下段のブラインド右コーナーで
突如ライン上に出現した大穴に左フロントを引っかけてしまう。
車両は跳ねて草地を飛び越え、なんとかコース上に復帰したものの、左フロントタイヤがリム落ちし、
タイム更新とはならなかった。

しかし、他の上位陣も悪路に阻まれ1本目を上回る走りはできず、そのまま優勝が確定。
これにより3連勝で今季3勝目を獲得。
シリーズ累計ポイントは75となり、2位に18ポイントの差をつけて首位を独走。
シリーズ3連覇へ大きく前進する結果となった。

Second HEAT TIME:1‘54:116

今回の勝利により、田口選手とHKSランサーエボリューションはスナガワで2年連続の勝利。
シリーズ後半戦に向けて、技術・戦略の両面で盤石の体制を整えた。
残り4戦、3連覇に向け全力で駆け抜けていく。


Rd.3 : DIRT-TRIAL in NASU

今シーズンは第1戦2位、第2戦優勝と滑り出し好調なHKS MotorSport。
GWの最初に開催される第3戦の舞台は栃木県「丸和オートランド那須」。
平坦ながら、ターマック部分とダート部分、テクニカルセクションと高速セクションがミックスされた変化に富んだレイアウト。
フル参戦開始前の2022年にHKSランサーエボリューションがデビューした地ではあるが、いまだ優勝には手が届いていないコースでもある。

週末は快晴となり、砂煙立ち上がるコンディションでの戦いとなった。
練習走行では0.2秒差にトップ5人がひしめき合う大接戦となり、激しい戦いを予感させ、田口選手は4位につけた。

決勝日はさらに気温が上昇し、散水を挟みつつも砂利層から硬く締まったフラットダートが姿を現す路面状況。
1本目用に一般ダート用タイヤ「ADVAN A053」を準備していたが、
田口選手がコース状況を見て超硬質ダート用タイヤ「ADVAN A036」への交換を決断。
急ピッチで作業を進めコースに送り出した。

迎えた1本目はスタート直後のクランクでシード勢のパイロンタッチが続出。田口選手も餌食となってしまい痛恨のペナルティで5秒加算。
結果は5位だったが、全車のペナルティを無視したとしても0.5秒遅れの2位ということでさらなる煮詰めが必要となった。

First HEAT TIME:1‘40:409(5th) ※Penalty:+5sec.

2本目は完全な硬質ダートとなり、タイヤも引き続き「ADVAN A036」を履いた。
またリアの車高を見直し、ハンドリングの改善を狙った。
1本目のタイムを2秒~3秒上回る激しいタイム更新合戦となったが、田口選手は一歩抜け出し0.13秒差でトップタイムを記録。
2年半越しの「丸和オートランド那須」での初優勝を決めたのであった。

Second HEAT TIME:1‘33:565(1st)

次戦は5/24~25の北海道「オートスポーツランドスナガワ」。
昨年は数多のトラブルを乗り越え初参戦初優勝しているコースとなるため、この勢いのまま前半戦を乗り切りたい。


Rd.2 : KYUSHU SPRING TRIAL IN TAKATA

「全日本ダートトライアル選手権」2025年シーズン第2戦は
広島県の「テクニックステージタカタ」にて開催された。
テクニカルセションとロングストレート含めた高速セクションがミックスされ、
起伏も大きくジャンピングスポットもあるような難易度の高いコースとなっている。
2023年には大逆転でタイトルを決め、2024年は練習走行で横転を喫しながらも
応急修理で4位を獲得するなどドラマチックな展開を決めた地でもある。

練習走行日は天候こそ気持ちの良い快晴であったが、
路面には浮き砂利が多くタイヤ選択が難しいコンディションとなった。
HKSは砂利のはけ具合を勘案して超硬質ダート用タイヤ「ADVAN A036」を履いて挑んだが、
まだまだ砂利が多くタイヤを生かしきれず1.8秒差の3位となった。

決勝日は前日の夜間に降雨があったが夜明け前には止み、霧が立ち込める朝となった。
「タカタの霧は晴れる予兆」というジンクスの通り徐々に天候は晴れ模様となっていったが、
路面はところどころ水溜まりがあったり砂利が浮いていたりと変化が激しい状況となった。

タイヤ各種を用意したが、1本目は状況を見て一般ダート用タイヤ「ADVAN A053」を履き走行を行った。
コンディションとマシンのマッチング、またタカタを得意とする田口選手の走りが噛みあい
「1分57秒480」と2位に2.2秒もの差をつけトップとなった。

First HEAT TIME:1‘57:480(1st)

快晴の中どんどん気温も上がり路面は乾き、砂埃が立ち込める状況となっていったが、
2本目も引き続き「ADVAN A053」を使用した。
タイム更新を狙ったが1本目のベストには及ばず「1分58秒576」であった。
しかし超硬質ダート用タイヤで勝負に出たライバル達も田口選手が1本目に記録したベストタイムには届かず、
HKSの今シーズン初優勝となった。

Second HEAT TIME:1‘58:576(2nd)

Best TIME:1‘57:480(1st)

次戦は4/26~27、HKSとしていまだ勝利のない「丸和オートランド那須」。
ここで勝利し3連覇に向け弾みをつけたい。


Rd.1 : トライアル関西 in いなべ

2025年シリーズ開幕戦は全日本戦初開催のいなべモータースポーツランド(三重県いなべ市)で開催。
元々は自然の地形を生かしたモトクロスコースであり、ほぼすべてが土の路面で狭い急斜面を往復する他にはない特徴を持つコース。
悪天候による路面に悪戦苦闘した2月のテスト走行で見つかった課題を潰しこみ万全の体制で今回挑んだ。

公開練習日朝の慣熟歩行時はドライでグリップが期待できそうな路面、
ドライタイヤでも走れるのではないかと思われた矢先、雨が降り始める。
雨を吸い柔らかくなった土は次第に掘られていき走行が回ってきた時には固く踏みしめられていた路面は見る影もなくなっていた。
そのなかでも前回のテストからリアサスペンションの仕様を見直し、追従性を高めたことで結果は2位と良いスタート。

1位との差は1.8秒、天気は決勝終了まで雨が降り続く予報で路面はさらに悪化する傾向だ。
車の動きもまだまだベストではない。車高とサスペンションの減衰を調整して決勝に備える。

決勝1本目

朝からの降雨により路面は練習日同様の粘土質状態。
二駆車両のスタックによる競技進行の遅れを防ぐため、この日は四駆車両のクラスからのスタートとなった。
炭山選手が谷田川選手のタイムを2.6秒縮め、鎌田選手がさらに0.3秒短縮、
田口選手は0.184秒届かず2位に。悪条件にも関わらずかなり拮抗した闘いになり、
アライメントとダンパーの減衰、スタビライザーを調整して2本目に備える。

First HEAT TIME:1‘21:473(2nd)

決勝2本目

一瞬止んだ雨も再び降り始め、路面は悪化の一途をたどる。
D2クラスの走行がスタートしても路面状況は変わらず、どの選手も軒並みタイムダウン。
田口選手もなるべくロスを抑えた走りを行い、最後まで全力でタイム更新を狙うが、
残念ながら1本目の結果を超えることはできず、勝敗が決してしまった。

Second HEAT TIME:1‘23:558(2nd)

第1戦は惜しくも優勝を逃したが、車の仕上がりは上々で、マッドタイヤのカットも良い方向に働いた。
次戦は田口選手の得意とするテクニックステージタカタ。
次こそは優勝を手中に収めるべくHKSチーム一丸となって全力で駆け抜けていく。