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HKS Racing Performer
GR 86
サーキットチャレンジ

1st ~ 4th

5th~8th(2022-2023)

9th~10th(2023-2024)


3月15日がこの春ラストのタイムアタックにセットされたが、
前走の状況からタイムを刻むにはさらなる出力アップやエアロによる前後バランスの調整がマストとなるため、
それらを確認すべく事前テストを実施した。

今回のGR86 Racing Performerはストリート向け商品の開発車両としてのポジションも担っているため、
燃料・点火時期の制御はサブコンといわれる「F-CON iS」でおこなっているが、
前走時よりもターボの過給圧を上げ、出力向上を図ってもそれにあわせた制御を行えることが確認できた。

またエアロ形状の変更による前後バランスの向上もこの事前テストで試みたが走行中にトラブルが発生したため、
こちらは前走時のものの改良版にて本番に挑むこととなった。

そして迎えた3月15日当日。どのくらいのタイムが出るのかHKSスタッフの期待も高まっていたが、
走行予定であった朝8時の段階では前日からの雨の影響で路面が乾かず午後の走行枠に持ち越しとなった。

心配された空模様はお昼ごろには晴天となり路面も完全なドライコンディションに回復。
ついにその時を迎えた。

チェック用のタイヤにて数ラップ走行をおこないピットイン。
アタック用のタイヤへ履き替えてGR86 Racing Performerと谷口選手はピットを後にした。
1周のウォーミングアップを経てアタックラップへ突入。
自己ベストでありGR86レコードでもある58.329をマークした。

そこでアタック終了という判断でも良かったのだが、
NEWタイヤを温存していたためそれへの交換とリアウイングの角度を微調整し再度アタックを敢行。
さらなるタイム更新を狙ったが掲示板に表示されたタイムは58.332と3/1000秒及ばず…。
ウイング角度の調整がわずかにアンマッチだったようだ。
NEWタイヤを投入しながらベストラップを更新できなかったのは残念ではあるが、
それは現状のタイムが現仕様にて出し得る上限値に近づいていることの証でもあった。

NEWタイヤはすでに投入してしまい、気温は20℃を大幅に超える初夏を思わせるような厳しい条件。
もう一度アタックしてもタイム更新は困難であることが予想されるが、
フロントスポイラーの調整によるフロントダウンフォースの増加およびハンドリング性能向上、
タービン過給圧変更によるさらなる出力・トルクの向上など、
タイム更新につながる要素もわずかではあるが残されており、それに望みをかけた。

この春はおそらく最後のアタックとなるため悔いのない結果を残したい~
そんな思いを載せたGR86 Racing Performerと谷口選手はオレンジ色の陽光に包まれて筑波コース2000を駆け抜けた。

タイムアタックをおこなうには圧倒的に不利な条件下であったが、
結果を残すという思いが勝り、同日記録したGR86レコードを再度更新する58.311をマークした。

昨秋よりスタートしたGR86 Racing Performerによるタイムアタックを通じて様々なデータ収集ができ、
これらは市販向けパーツの開発にもフィードバックしていく予定です。
また秋冬のタイムアタックに向けて、さらなるアップデートを図る予定ですので今後の展開にもご期待ください。

SPEC― 4th challenge ―

TOYOTA GR 86
エンジン 本体ノーマル
ミッション 純正6速
過給機 GTIII-RS ボルトオンターボ
エンジン制御 F-CON iS+EVC7
エキゾースト SPL
サスペンション HIPERMAX MAXIV SP SPL
LSD 社外品
タイヤ ADVAN A050 295/35-18 (F&R)
ホイール ADVAN RACING GT BEYOND
シート BRIDE
ブレーキ ENDLESS
エアロ HKS BODY KIT TYPE-R
その他 軽量化

※仕様は諸事情により変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。


12月28日のタイムアタック後は出力アップを狙いターボ化を敢行。
今後アタックをおこなっていくスペックにて年明けの東京オートサロンにて展示。
その後もセッティングを詰めていく。

HKSがマシンメイクに時間を費やしていた間にGR86・BRZを取り巻くチューニングレベルも進み、
筑波2000でのベストラップはすでに59秒台に突入していた。

ターボ化したとはいえセッティングや各部耐久性など探りながらの状態で
まだ大幅な出力アップは望めない中、
記録更新には1.5秒以上詰める必要があり、それが極めて高いハードルであることは容易に想像がついた。

  •   

2月25日、谷口選手がゲスト出演する「アンパラレルド走行会」で
 ターボ仕様のテスト走行をおこなえることとなった。
テスト走行とはいえ、走る以上は現状のレコードは更新したい…そんな思いが高まる。

この日1本目の走行は朝イチのショップデモカーアタッククラス枠。
気温も適度に低くクリアラップが取れるためレコードブレイクするにはここしかない。
HKSスタッフも谷口選手も同じ思いを共有していた。


チェック走行ののちNEWタイヤを装着しいざアタック開始。
現状のRacing Performer GR86が持つ力をフルに発揮し各セクションを駆け抜けていく。
最終コーナーを立ち上がり、コントロールラインを通過。
HKSスタッフが注目するラップモニターに映し出されたタイムは59.631…。
レコードを更新したいという思いは0.03秒の差に打ち砕かれた。

走行テストとしては多くのデータを収集でき目的は果たしてはいるもののやはり数字は残したい。
気温や路面温度、タイヤやマシンのコンディションなど朝よりも不利な要素しかなく、
プラス要素は朝の走行データをもとに車両セットアップを微調整するくらいしかない中で
午後の走行枠で再アタックにチャレンジした。

谷口選手に思いを託したRacing Performer GR86はピットレーンを後にしてウォームアップランののちいよいよアタック開始。

コーナーごとにタイムを絞り出し、
最終コーナーでは外へ膨らもうとするマシンを力でねじ伏せるような谷口選手の熱い走りにより
レコードを0.01秒更新する59.585をマークした。

タイム更新にスタッフ一同ほっとした半面、
今後タイムを詰めていくには様々な難しい課題も見えたそんな一日となった。

SPEC― 3rd challenge ―

TOYOTA GR 86
エンジン 本体ノーマル
ミッション 純正6速
過給機 GTIII-RS ボルトオンターボ
エンジン制御 F-CON iS+EVC7
エキゾースト HKS Hi-Power SPEC-L II
サスペンション HIPERMAX MAXIV SP SPL
LSD 社外品
タイヤ ADVAN A050 295/35-18 (F&R)
ホイール ADVAN RACING GT BEYOND
シート BRIDE
ブレーキ ENDLESS
エアロ HKS BODY KIT TYPE-R
その他 軽量化

※仕様は諸事情により変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。


好タイムを記録した1st Challengeではボディ外装はノーマルのままであったが、
2nd Challengeではコーナリング時の安定性向上を狙いエアロパーツを装着することとなった。
エアロパーツ装着によりダウンフォースのかかり方が変わってくるが、
サスペンションのセッティングにも大きく影響するため、まずは事前テストを実施した。

装着したエアロパーツはストリート向けパーツとして市販化を予定している「HKS BODY KIT TYPE-S」であったが、
ノーマルボディと比較して走行中の前後バランスが改善しフルブレーキング時のふらつきも抑えられるなど安定性向上が得られた。

12月28日、いよいよ2nd Challege当日を迎えた。
よりグリップ力を高めるために295の幅広タイヤを装着。それをボディ内に収めるためにエアロパーツは
「BODY KIT TYPE-S」をベースとしたワイドバージョンに変更した。

今回のタイムアタックはコース占有にておこなうためクリアラップは確約されており、
エアロパーツおよび幅広タイヤ装着によるアドバンテージもあるためタイム更新に期待がかかる半面、
パワーユニット的には1st Challengeから変更はなく、走行は15時からと気温的には高めで、
実質1本勝負になるなど伸びしろの面では不安要素も抱えていた。

走行開始の15時。まずはUSEDタイヤにてチェック走行をおこない、
各部確認および微調整を実施。ADVAN A050のNEWタイヤに履き替えてタイムアタックに挑んだ。
インラップののちにコントロールラインを越えてアタック開始。谷口選手の正確なドライブで順調に各セクションを通過し1’01.286をマーク。
自らの持つGR86/BRZのチューニングカーによる筑波コース2000ベストラップを約0.6秒更新した(2021.12.28現在)。

エンジンノーマルかつ吸排気チューンのみでこのタイムをマークしたことは
1st Challenge時同様、GR86の素性の高さをあらためて確認できたが、
今回装着したエアロパーツによるダウンフォースや幅広タイヤのグリップ力を
より効率的に生かすためのサスペンションセッティングなど、まだまだ改善の余地は残っている。
さらにはほぼ手つかずのパワーユニットについては様々な選択肢が考えられ、各部アップグレードを図ったうえで次回タイム更新に挑んでいきたい。


SPEC― 2nd challenge ―

TOYOTA GR 86
エンジン 本体ノーマル
ミッション 純正6速
エキゾースト HKS Hi-Power SPEC-L II
サスペンション HIPERMAX MAXIV SP SPL
LSD 社外品
タイヤ ADVAN A050 295/35-18 (F&R)
ホイール ADVAN RACING GT BEYOND
シート BRIDE
ブレーキ ENDLESS
エアロ HKS BODY KIT TYPE-R
その他 軽量化

※仕様は諸事情により変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。


1回目のチャレンジに向けて車両発売後すぐにマシンメイクを開始。
今後のタイムアタックに向けて基本となるサスペンション、
吸排気系のセットアップをまずは実施した。

合わせて走行に際して不要となる部分の軽量化を施したが、
GR86自体のポテンシャルを見極めるために
パワーユニットは2.4L NAのストック状態のまま挑むという選択をした。

2021年11月下旬シェイクダウン実施。
天候やコーススケジュールの関係で今後のメインステージとなる筑波コース2000での走行は叶わなかったが、
この時のデータをフィードバックして1st Challengeへ向かうこととなった。


12月2日。1st Challengeは奇しくも筑波コース2000での初走行となり、
レブスピード誌主催「筑波スーパーバトル」の場での公開アタックとなった。
シェイクダウン時のデータやこの日までに記録されている
各GR86や新型BRZのタイムなどから1分3秒台前半、
あわよくば1分2秒台に入れば上々という目標を掲げ1本目の走行へ向かった。

1本目は各部チェックを兼ねてUSED Sタイヤ(ADVAN A050)でのアタックをおこなったが
タイムは同行したHKSスタッフも驚きの1分2秒805。
2本目、3本目は新品タイヤでの走行を予定しているためさらなるタイムアップに期待が高まった。

2本目は1本目の走行を踏まえて微調整を施しつつ新品タイヤ(ADVAN A08B)でアタック。
お昼前頃の走行だったが気温や路面温度とタイヤの特性がマッチして1分1秒872という好タイムを記録。
当初想定していなかった1秒台に突入した。

3本目の走行は午後2時過ぎ。
気温も路面温度もこの日1番高いコンディションとなりタイム的にはかなり不利な状況であったが、
さらなる微調整と新品Sタイヤ(ADVAN A050)、
谷口選手会心のドライブによりこの日のベストラップ1分1秒855を記録した。

サスペンション、吸排気、軽量化、ハイグリップタイヤという
基本的なパッケージのみで1秒台に突入したGR86のポテンシャルの高さに
HKSスタッフ一同驚愕した1日となったが、
今後続いていく本格的なチャレンジにさらに期待が高まった。


SPEC― 1st challenge ―

TOYOTA GR 86
エンジン 本体ノーマル
ミッション 純正6速
エキゾースト HKS Hi-Power SPEC-L II
サスペンション HIPERMAX MAXIV SP SPL
LSD 社外品
タイヤ ADVAN A050 235/40-18 (F&R)
ホイール ADVAN RACING RS III
シート BRIDE
ブレーキ ENDLESS
その他 軽量化

※仕様は諸事情により変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

SPECIAL THANKS

横浜ゴム株式会社 ADVAN ENDLESS BRIDE