※写真はプロトタイプです。
以前、2007年モデルのR35に乗っていたんですが、初期型の乗り味はとにかくゴツゴツしていて不快そのものでした。でも、このMAXIV GTを装着したGT-Rは、サスペンションの動き始めがすごくなめらかで突き上げ感が抑えられている。しなやかだし快適性はかなり高いレベルに仕上がっています。
そのしなやかさは、路面に追従させるという動きにも活かされていて、すごく良く動きます。そう言うと柔らかい足と思うかもしれませんが、ただ柔らかいだけじゃない。タイヤを路面に押し付ける力、ボディの上下動を抑えてコーナリング中はロール量を安定させる適度な硬さを持っている。狙っている方向がグランドツーリング的な印象ですね。この動きならワインディングでも一般道でも、しなやかで快適に乗れると思います。
今回の試乗は箱根のワインディング。雨が降ったりと路面が少し濡れた状況でしたが、それでもフロントの操舵感、タイヤのグリップはけっこう高いレベルにあると思いました。試乗車はブーストアップで600psの仕様ですが、そのパワーもしっかりと路面に伝えてくれますね。
しなやかな足は荷重移動もさせやすい。アクセルオンで後ろが沈み込み、旋回しながらの下りのブレーキングでも、極端にオーバーステアやアンダーステアになることもなく、非常にマイルドな挙動です。こういうダンパーだとどんなコンディション、シチュエーションでも安心してタイヤのグリップを発生させることができます。
少しピーキーなほうがスポーティな足だと思われがちですが、そうじゃない。快適性もスポーツ走行も両立できるのはしなやかさ。MAXIV GTには、それがあると思います。