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TUNINGチューニングの基礎

エンジンチューニング5大要素

吸気系 排気系
過給器 燃調 点火系
吸気系について

 吸気系の効率を上げるには、なるべく抵抗となるものを取り除き、スムーズに空気をエンジンに導くことが大切。しかし、純正のエアクリーナーは、色々な使用用途を想定して長期に渡って使用してもフィルターの目詰まりなどがおきにくい、また吸気音の低減を目的としたものが付いており、吸入効率で考えれば非常に効率が悪くなっている。人間に例えると、防毒マスクを被ってマラソンしている様な状態なのだ。
 そこで、HKSではスーパーハイブリッドフィルターとスーパーパワーフローをラインナップ。純正交換タイプのスーパーハイブリッドフィルターは、純正クリーナーBOXをそのまま使用し、フィルターのみを吸入効率の良いものに交換して効率を上げたもの。置き換えタイプのスーパーパワーフローは純正クリーナーBOXを取り外し、クリーナー形状自体をより多くの空気を取り入れられる形状とし、より高度なチューニングにも対応させている。ただし、置き換えタイプは吸入効率を追求しているぶん、純正に比べて交換サイクルが短くなっているので、指定された交換時期を守ることが性能を維持する秘訣となる。

排気系について

 基本的には、排気系のチューニングも効率を上げることが前提だけど、排気系は抵抗をなくす=効率を上げる、ではないので注意。マフラー(排気管)を全部取 り外すと抵抗はなくなるが、トルクもなくなって発進性や加速性が悪くなるため、適度な排圧(抵抗)を付ける必要がある。これはエキマニなどが良い例で、形 状や集合部までの長さによってクルマの特性を変えることができるのだ。さらに、排気ガスや騒音公害にも大きく影響する部分であり、排気系をチューニングす る場合このことを十分考慮する必要がある。
 純正のマフラーは取り回しやコストの関係上、急激な曲げやつぶれがあり、消音や低速トルク確保に重点を置いた構造のために排気効率が悪いのに対し、ス ポーツマフラーは曲がりを少なくつぶれをなくして構造自体も効率の良いものにしている。味付けはスポーツカーなら気持ちの良いエンジンの吹き上がり、ワゴ ンやセダンはトルクの確保などそれぞれのユーザーニーズに合わせて設定。音についても存在感をもたせながら、それぞれの車種に合わせた音質としている。 ターボについては後で説明するけど、ターボは排気エネルギーを利用しているためにターボが抵抗となって排圧がかかるため、NA車に比べて抵抗の少ない構造 となっており、車種やマフラーの種類によっては過給圧も上昇して大きな出力アップを狙うこともできるのが魅力だ。

純正マフラー

純正マフラー

純正マフラーはコストの問題、消音や低速トルクを優先していることからパイプの曲げがきつく、サイレンサー内も仕切り板を設置して排気を拡散させる隔壁構造になっているものが多く、排気の抜けが悪い。

スポーツマフラー

スポーツマフラー

排気の抜けを重視したスポーツマフラーは、パイプの曲げがゆるやかで、サイレンサー内も1本のパイプが真っ直ぐ通るストレート構造を採用。排気音は大きくなりがちだが、最近では静粛性を確保したスポーツマフラーも多い。

メタルキャタライザーで排気効率アップと浄化性能を両立!

排気ガス中の有害成分を浄化する触媒は、内部が小さい無数の穴を持つ構造になっていて、これが排気抵抗になる。排気効率を考えれば、触媒はないほうがいいが、それでは排気ガスを浄化できず、また排気音も大きくなってしまうため一般公道で取り外すのは違法。そこで誕生したのが、内部の穴の目(セル)を粗くすることで排気抵抗を減らしつつ、規制値の浄化能力も備えたメタルキャタライザーだ。HKSでは新開発150セルを採用し、高出力対応&高浄化性能を両立。環境面にも配慮したチューニングパーツになっている。

排気チューニングのファーストステップはマフラー交換!

過給器について

ターボチャージャーとは

 エンジンから排出された排気ガスのエネルギーを利用し、風車のような羽根(タービン)を回すことによって同軸上の風車(コンプレッサー)を回し、空気を圧縮して強制的にエンジンへ空気を送り込み高出力を得る装置。
 このときの送る空気量(圧力)を過給圧(ブースト圧)といい、排気ガスがタービンに当たる量によってブースト圧を調整する。排気ガスのタービンにあたる量の調整は、エンジンからタービンの間にバイパスバルブがあり、排気ガスをタービンに当てずに逃がしてやる量によって調整。このバイパスバルブは、コンプレッサー圧力によって作動している。
 ブースト圧を上げればより多くの空気をエンジンに送り込めるが、実際はエンジン強度や異常燃焼(ノッキング)などの問題があり、ブースト圧は制限される。ノーマル車のブースト圧設定はユーザーの様々な使用条件・用途を考慮し、また排気ガス規制の問題などで、ある程度余裕をもって設定されているのが一般的だ。

バイパスバルブは2種類

バイパスバルブにはアクチュエーター式とウエストゲート式があり、どちらもブースト圧が規定値になると排気バイパスを開き、排気管の圧力を逃がしてブースト圧をそれ以上に上がらないようにする制御装置。役割としては同じだけど、アクチュエーターはコンパクトなのでターボチャージャーと一体化できること、ウエストゲートはタービン手前の排気管に配置することになるがアクチュエーター式より排気バイパスの容量を大きくでき、ブースト圧の安定性に優れるのが特徴。これらの特性により、アクチュエーター式は純正や小さめのタービン、ウエストゲートはビッグタービンで使うことが多い。

ブーストアップとは

 ターボによって強制的にエンジンへ送り込む空気の量を、さらに増やすことで爆発力を高め出力を上げること。純正のブースト圧は、あえて低い設定になっているので、ブースト圧を高くして本来のエンジン性能を引き出してやるメニューだ。
 ブーストを上げる具体的な方法は、アクチュエーターにかかるコンプレッサー圧力をEVC(電気式過給圧コントローラー)といった、いわゆるブーストコントローラーを使ってコントロールするのが定番。ちなみに、アクチュエーターを強化タイプ(スプリングの強いもの)に交換する方法もある。
 なお、ブーストアップは比較的簡単にできるメニューではあるけど、ノッキングや燃調、ブーストカットなど複雑な問題があり、エンジン破損につながる怖いメニューでもあるので、十分理解したうえで行うようにしよう。

タービン交換とは

 ブーストアップからのステップアップメニューとなるのがタービン交換。純正タービンでは最大馬力の限界が低く、ブーストアップで満足できない場合は高風量のタービンに交換する。
 ところで、単純に考えると同じエンジンなら、小さいタービン(ノーマルなど)によって過給するのと大きいタービンで過給した場合、同じ過給圧なら同じ馬力になるように思えるが、実際は大きいタービンの方が馬力が出る。これはタービン自体の効率の違いによるもので、タービンのサイズによって効率の良いブースト圧(空気流量)があり、効率の悪いブースト圧で使用すると過給された空気の温度が上昇して空気密度が下がり、同じブースト圧でも実際の空気量が少ない結果となる。よって上記のようなことが起きるのだ。

インタークーラーとは

 インタークーラーはタービンによって圧縮され、熱をもった空気を冷やすことによって、空気密度を高めるための熱交換器(冷却装置)。
 ブーストアップやタービン交換と同じように、多く行われるチューニングにインタークーラーの追加や大容量タイプ(効率の良い物)への変更などがある。良いインタークーラーとは、空気が通過する時の抵抗(圧損)が少なく、できるだけ温度を下げる(冷却)ことができるものになるが、このふたつの要素は相反する条件であり、両条件を共に向上させるのは非常に困難。そのようななかで、HKSのインタークーラーはこのことを追求して開発している。

スーパーチャージャーとは

 排気ガスの力を利用するターボチャージャーに対して、スーパーチャージャーはエンジンの力を少し分けてもらって過給器を動かす機構のこと。具体的にはクランクシャフトのプーリーに掛けられたベルトなどで過給器を回し、エンジンに空気を押し込んでいる。
 したがって、エンジンの回転数が低い状態でも過給器が動くため、アクセルを踏むとすぐにブーストがかかってレスポンスが良いのが特徴。ターボの場合、排気ガスで動かすから、動くのに必要な排気ガス量が流れるまでタイムラグが発生してしまうのだ。ただし、高回転になるとエンジンの力を使っているスーパーチャージャーはターボに比べて効率が悪くなる、といわれる傾向にある。

スーパーチャージャーの代表例

ルーツ式:ハウジングの中で2つのローターが噛み合いながら回転して、空気を押し出す方式。一般的なスーパーチャージャーはこの仕組みになる。このタイプは内部加圧式ではないため、パワーを上げるには本体を大きくしなければならない場合もある。

遠心式:ターボのような形だが、排気ガスではなくエンジンの力で空気を圧縮する方式。内部の構造によってさらに細かく種類が分けられ、HKSではトルク感応型トラクションドライブ方式と呼ばれる仕組みを採用。内部加圧式+トラクションドライブにより、エンジン回転全域で適切な過給を行える。

過給器チューンでモアパワーをGET!

燃調について

 燃料を完全に燃焼させるには、空気15gに対して燃料1g(15:1)が必要で、これを理論空燃比と言う。ただ、実際のエンジンの空燃比は燃料の霧化状態(空気と燃料の混ざり具合)や燃料冷却(燃料によるエンジン冷却)などによって、理論空燃比より燃料が少し濃い設定になっている。
 空燃比の確認には、A/F(エアー/フューエル)計などの計測器を使用。ノーマルコンピューターでは、O2センサーによって大まかに見て調整しているのだ。空燃比は、エンジンやその状態に適した割合があり、ノーマルの状態であればクルマのコンピューターが考えて、吸い込んだ空気量をエアフロメーターで計測し、それをもとにインジェクターによって燃料を噴射。ノーマルのコンピューターはエンジンなど、すべてノーマル状態で設定されており、ブーストアップなどで吸気量が増えたら、基本的に燃料の噴射量も変更する必要がある。
 実際に燃調を行う場合、長年の経験で行うこともあるが、A/F計や走行中の様々なデータを記憶できるデータロガーなどの機材を使って行うことが多い。
 HKSでは燃料の補正を行う装置としてF-CONを開発。ノーマルのインジェクター信号をもとに変更を行い、調整(増減)することを可能にしている。また、エアフロ信号を変更することによってコンピューターに実際の空気量と違う空気量を認識させることでも空燃比を変更することが可能。HKSでいうAFRやFCDが、そのための装置だ。

F-CON V ProならDジェトロ化が可能!

吸入空気量はエアフロメーターで計測され、その数値をもとに燃料の噴射量が決定するわけだが、Lジェトロ式といった一般的なエアフロセンサーは、吸気管内に電熱線(ホットワイヤー)やバネ仕掛けの羽根(メジャーリングプレート)が設けられていて、それが吸気抵抗となってしまう。それに対し、Dジェトロ式はインテークマニフォールド内の圧力で空気量を換算するタイプで、吸気管内にセンサーを設置する必要がなく、吸気効率を追求したときに最適なエアフロメーターと言われている。このDジェトロ式はエアフロレスとも呼ばれ、HKSのF-CON V Proを使うことで、Lジェトロ式をDジェトロ化することが可能となる。

完全燃焼を促進する燃調セッティングツール

点火系について

 点火系でもっともポピュラーなチューニングがプラグの交換。プラグには熱価があり、一般的に番号の低いもの(低熱価タイプ)は低温時の着火性に優れるが高温時はプラグ自体の温度が上がって異常着火によるノッキングの原因になり、番号の高いもの(高熱価タイプ)は高温時では良いが低温時の着火性が悪く失火してしまう。ブーストアップなどにより爆発力を大きくした場合は、燃焼室温度が上がってノッキングしやすくなり、最悪の場合エンジンの破損につながるため、プラグの熱価を上げる必要があるのだ。 また、その他に重要となるのは点火時期で、基本的には燃料と同じくコンピューターにて制御している。点火時期は混合気に着火するタイミングで、条件により変化するが、一般的に早めに着火すると出力は上がるがノッキングしやすくなり、遅くするとノッキングしにくくなるが出力やエンジンレスポンスが悪化する傾向にある。HKSではF-CONによって、点火時期のきめ細かい調整が可能だ。

強い火花と確実な着火を可能にする点火系パーツ


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