86 & BRZに搭載されているFA20エンジンは、エキマニに第1触媒、フロントパイプに第2触媒が装備されています。排気ガスを浄化する触媒は環境問題を考えると絶対に必要な装置ではありますが、大きな排気抵抗となっているのも事実。とくにエキマニ集合部の直後にある第1触媒による圧力損失は大きく、チューニングにおいてキモとなる部分です。だから、たとえエンジンチューンが進んで出力が向上したとしても、触媒の抵抗次第ではエンジン本来の性能を発揮することは難しいのです。
今回装着するSUPER MANIFOLD with CATALYZER GT-SPECでは、その第1触媒をHKSメタルキャタライザーに変更。内部のセル密度を純正の900セルから約1/6の150セルへと粗い目にし、低圧損化を実現しました。通常、抜けが良いと浄化性能は落ちる傾向となりますが、HKSでは触媒貴金属を贅沢に使用。純正のフロントパイプ(第2触媒)と組み合わせて使うことで、低抵抗ながら排気ガス規制をクリアしています。
また、エキマニ部分は性能を重視した等長等爆4-2-1レイアウトを採用。4気筒から排出される排気ガスどうしが集合部で干渉しないようにこだわることで、純正エキマニで起きる低速トルクの落ち込みを改善しています。
高回転域ではHKSメタルキャタライザーによる抜けの良さ、低中回転域ではエキマニのレイアウトにより、全域に渡ってエンジン本来の性能を引き出す設計になっています。
まず見た目で、エアクリーナー部分がスッキリしたからエンジンルームからエキマニが見えて、かなりスパルタンな雰囲気になったね。もう見た目だけで、やる気にさせてくれる。
乗った感じは、まず全体的に音に違いが現れたかな。排気音はそれほど大きくなってないけど、高回転域の排気音は明らかに違うね。パワー感もアップしたように感じる。とくに5000rpmを超えてからの高回転域はとにかく気持ちいい!! ここまでマフラーと吸気系をチューニングしてきたけど、この仕様に乗ると触媒がかなりの抵抗になっていたことに気づかされるよ。
86にエキマニは必要だね。マフラーやって、エアクリーナーやって、エキマニやって、ここまでやるとFA20エンジン本来のポテンシャルを最大限に発揮できるようになる。今回はサーキット走行だったから低速域での変化はわからなかったけど、高回転域で得られるパンチ力だけでも十分に満足できると思うよ。