ターボ車ではブーストアップによるコンピューターセッティングが必須ですが、NA車では吸排気チューニングを行なってもコンピューターまでは・・・・という方が多いのではないでしょうか。ところが、吸排気チューニングの性能を引き出すためにはNA車でもコンピューターチューニングは効果的。アクセルレスポンスやエンジン特性に大きく影響するんです。
さて、コンピューターセッティングには純正ECUの書き換えやサブコンピューターやフルコンピューターを使うなどの方法がありますが、今回登場するフラッシュエディターは、純正ECUをリフラッシュするセッティングツール。純正ECUを書き換えるタイプになります。このフラッシュエディターの特徴は書き換えが簡単!! という点。OBD II(故障診断装置)ポートにコネクタを接続することで、誰でも手軽にECUチューニングができるんです。
もちろん、あらかじめセッティングした2種類のカスタムデータ(PHASE 1、PHASE 2)が付属していますのでセッティングの心配はいりません。カスタムデータの「PHASE 1」はフィーリングアップを重視したセッティング。マフラー交換などのライトチューン仕様向けに、スピードリミッター上限の引き上げ、点火やスロットル等の最適化を図っています。いっぽうPHASE 2はパワー & トルクアップ重視。エキマニ+触媒交換を前提に、燃料、点火、スロットル、バルブタイミング等を最適化。またFA20エンジンのウィークポイントである、4000rpm付近のトルクの谷を改善し低回転から違いを体感できるセッティングになっています。また、フラッシュエディターは現車に合わせたハイレベルなオリジナルセッティング(HKSパワーライター契約店のみ)も可能。この先チューニングがさらに進んでも、仕様に応じたコンピューターセッティングに対応できるようになっています。
フラッシュエディターの使い方は簡単。まずはフラッシュエディター本体をクルマのOBD IIに接続し、純正ECUのデータを読み込みます。そして本体をUSBケーブルでパソコン (WindowsXPまたはWindows7)につないでカスタムデータを保存。再び本体をOBD IIに接続してカスタムデータを書き込めば完了です。
というわけで、テスト車両の86には、すでにエキマニとメタルキャタライザーが装着済みですので、パワー重視の「PHASE 2」にリフラッシュしてみましょう。
アクセルを踏み込んでまず感じたのが、高回転域のパンチが増したってこと。エキマニ交換との相乗効果もあるんだろうけど、加速していく力が強くなったっていうのかな、6500rpmぐらいからもグーッと伸びていく感じ。最高速も絶対に伸びるだろうけど、今回の走行は雨だったから、そこまではスピード出せなかったけどね。
それと、86のギヤ比って、5速の次が7速かってぐらい離 れてるんだよね。だから、富士スピードウェイのストレートでは5速だと吹けきってしまうし、6速だと6500rpm以上のおいしいところが使えない。だからファイナルを調整するかトップスピードが5速で6500~7500rpmになるコースなら、フラッシュエディターによる高回転の伸びをもっと味わえるはずだね。
富士スピードウェイだと低中回転域はほとんど使わないんだけど、ピットロードの出口で加速したときにトルクが少し太くなった?って感じた。3000rpmを超えたあたりのトルクがフラットになったのかな。このあたりのトルクが増せば街乗りで乗りやすくなるんじゃない? それにしてもチューニングが進むにつれ、エンジンが元気になって、86がどんどん楽しいクルマになってきたよ。エキマニ交換とフラッシュエディターはセットで交換することがベストだね。